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姉の結婚 6 / 西 炯子
無限堂遙から東京に来ないかとの誘いを受けるヨリ。
離婚に向けてある決断を下し動き出す真木。
不倫相手の身勝手さに心揺さぶられる理恵。

6巻は3人の過去が明かされる。真木と父の関係、ヨリと父の関係、理恵と不倫相手の関係。三人三様の過去が描かれている中で共通していることは「心から望んだものを手に入れられなかった」と言う事実。

真木との不倫関係を清算し、図書館の仕事をこなしながら町おこし事業やエッセイの執筆に打ち込むヨリ。友人の新谷から再婚の話を聞かされたり、実家からはルイの結婚の件で呼び出されたりと色々周りが騒がしい。一方では無限堂遙に言われたことがずっと気にかかっていた。
東京の大学を受験したいと言ったヨリに対して、厳格な父は彼女の気持ちを真っ向から否定した。親の言うことが1番正しいと信じて疑わない父の傍にいたら息が詰まってしまう、そう思っていたヨリは初めて父に逆らい東京の大学に進学する。本の虫で大学でも1人の行動が多いヨリは友人もいない。物珍しさでたまに声をかけてくる男子は自分の体が目当てなのだと思い込んでいた。司書という職業を選んだのは一人でもさほど問題なく、いつも好きな本に触れていられるからだ。そんな毎日の中で声をかけてきた1人の男とヨリは恋に落ちる。しかし男は妻帯者である事をヨリに隠して彼女と付き合っていた。愛を求めれば得られない事に苦しみ、得れば失う事に苦しむ。その日からヨリの相手は妻帯者か彼女持ちばかりになった。結婚を口にしなければ全てが上手くいく。しかし彼女は自分が妊娠したことがきっかけで相手と別れる事になり、更に自分の住んでいたマンションが火事を出したことで東京での生活に別れを告げようと決める。自分の居場所を求めてやってきたはずの東京は、去っていくのにもう何の未練もなかった。

真木は偶然にも一緒になった天野と姫ノ島へ向かう船の中にいた。真木は問わず語りにある少年の話を天野に話して聞かせるが、天野にはそれが誰の事なのかわからない。島にただ一つある診療所へ連れて行かれた天野は、1人の初老の男と対面する。若い女と連れ立っているその男こそ真木の父親だった。島についてから歩く道すがら聞かされた1人の少年の話。その少年とは真木の事だったのだ。自分が熱を出して瀕死の状態にあった時、父は母でない女の所にいた。その事が原因で離婚した後も父の女癖の悪さは治らないままだった。彼は常に女性を選び、息子である自分を必要としてはくれなかった。その事が真木の中で「常に誰かの一番でありたい」と言う強い思いを生んだ。願っても願って手に入れられなかった肉親の愛に見切りをつけた真木は「大切な人のために愛を乞うことはやめる」と口にする。

ある日、ヨリの務める図書館に何の前触れもなく無限堂遙が現れる。中崎観光がしたいと言う無限堂にヨリは有休をとって付き合う。修学旅行のようにはしゃぐ無限堂遙は訪ねて来た理由を聞かれ「君が離れたくないという故郷を見に来た」と言う。そして改めて自分の仕事を手伝って欲しいと申し出る。仕事からプライベートの事まで矢継ぎ早に雇用条件を出してくる男にヨリは戸惑いを隠せないが、無限堂が本気で自分を東京に呼ぼうとしているのだと実感する。故郷に縛られたまま動けないでいるヨリが歯がゆく、その才能を買っている無限堂遙は「返事は半年後でも一年後でも待つ」と話す。

島から帰った真木はある朝理恵に離婚を切り出したが、相手にもされない。理恵にとって真木は「一生ものの持ち物」であり、医者の妻でありたい彼女に手放す事は考えられなかった。好きな女がいるのは知っているが、愛で結婚しようと足掻いている自分の夫はバカで間違っていると不倫相手の前で糾弾する。長い不倫関係は学生の頃から続いていて、何も知らない短大生だった自分を好きだと熱く口説いておきながら男は別の女と結婚した。そして自分が師範の生け花教室には男の娘が通ってきている。顔を見るたび死んでしまえばいいと思っている事は絶対に口にしない。
理恵との不倫がここまで続いているのは結ばれない関係だからだと男は嘯く。そして耳元で「僕の理恵」と甘く囁き、彼女を動けなくしていく。例え紛い物の愛であろうと失いたくない理恵は男の前で物わかりのよい女を今日も演じる。

真木は天野に紹介された弁護士に離婚の件で相談するものの、結婚する時の条件や経済状況から簡単な事ではないと言われてしまう。離婚せずに愛人の関係を続ければいいと言われたが真木の決心は固く、彼はかねてから考えていたある事を実行しようとする。

図書館にやってきた八木沢仁美は、最近真木の様子がおかしい事をヨリに告げる。パチンコ屋に出入りしたり、水商売風の女と遊び歩いていたりと、真木のおかしな行動は色んな人に目撃されていた。仁美は真木にあって話を聞いてあげて欲しいとヨリに頼むが、真木を忘れたいヨリには当然気の進まないことだった。この街にいる限り真木との恋も終わった事にはならない、その事実が重くのしかかる。

真木に月に一度の食事会をすっぽかされた理恵は、焦燥感を募らせると共に真木への怒りをあらわにする。が、彼女には思わぬ出来事が待ちかまえていた。

最後の展開はまさに青天の霹靂と言うか、こう来たかと言う感じでしたね。真木との生活も危うくなり、不倫相手にも煮詰まってきた理恵がどういう選択をするのか非常に興味あるところです。
真木が天野に「いつも誰かの一番になりたかった。だが欲しがってばかりで得られなければ、愛は辛く悲しいものになる」と言うのですが、それは3人に共通している事であり、愛に裏切られ続けた末、目の前にあるものに縋らざるを得なかった事も大きいのではと思います。
ただこの人たちは大人の成りをしていながら精神的には全くの子供です。これは彼らが求めた愛に裏切られ傷つけられ、それを今でも引きずり続けている事に大きな原因があって、大人になった今でも全く先へは進んでいないのです。彼らはまずそこから始めなければならないと思います。実際に真木は父からの見返りを求めるのをやめましたが。
「ルイの思う幸せは結婚」と認めつつも、自分には絶対に怖くて出来ないと思うヨリ。彼女の寄る辺なさは、選択肢はすでに目の前にあるのに失敗を恐れる余り避け続けていることだろうと。今度失敗したら恐らく自分は立ち直れないだろうと薄々感じているからかもしれません。
逆にルイは自由奔放なのに結婚観は意外と常識的、迷う事無く自分の信じた選択が出来ると言う点で強いなぁと思います。ゆうとくんにすごいベタなプロポーズせがんで、それを街中でやってのけたゆうとくん男らしかったー!


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